せんぱくBookbaseでは、実はこっそり、取り寄せも承っています。

こっそり、というのは、とくに店内で告知はしていないけれども

お客さんからのリクエストがあれば、取次に問い合わせて仕入れる、
ということです。

依頼の際ちょっとしたコツがあるとすれば
古書よりも、新刊のほうが、取り寄せしやすいということでしょうか。

新刊は、まだ在庫が出版社にあるものがほとんどですが
古書となると古書組合に入っていない当店では少し時間をいただく場合が
珍しくありません。

そんなわけで
これまで、雑誌や絵本、評論本などをご依頼に応じて取り寄せてきました。

評論本の取り寄せを受けたのはシェア店主さん。

取次への問い合わせは運営責任者である絵ノ本が行うので、
私が引き継ぎます。

取次に依頼して、到着し、届きましたよ、と連絡をいれる。

少し時間を要してしまったのですが、
なんとか店舗に本が届き、依頼主さんへ電話します。

電話をすると、なんと、その日のうちに来てくださいました。

家が、すぐ近くなのだそうです。

杖をつかれて、ゆっくりとお越しくださいました。

本を受け取った後、せっかくだから、と
椅子に座って、じいーっと棚を眺めていてくださいました。

…私の住む町には、本屋がありません。

私の住む町に本屋がないからこそ、町に本屋があってほしい、そのための大きな一歩として、せんぱくBookbaseをつくりました。

でも、こうして「届きましたよ」と連絡したその日に来る、という距離感の人に直接届けているという自覚は、あまりありませんでした。

見えなかった町の人と、本屋が、つながったひとときでもありました。

ご来店、ありがとうございました。